曖昧

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「教授、何言ったんすか」 「少し、大人可愛い話をね」 「なんだそりゃ……」 風紀隊であり、小俣教授の孫。 綾野 実白。 すんげーうるさくて、 落ち着きがなさすぎる。 口は悪いし、 何故か男言葉、 でも、彼女は… 「名前と顔は、キレーなんすよね」 「もったいないよな」 「僕の前で君たち、なかなか言うね」 そう言う教授に俺は。 「…あーゆう人柄を、選んだなら、俺は、わかりますよ」 と言うと、 教授は俺に目を合わせて、コクコクと頷いて言う。 「そうだね。」 …何が? と柳が呟く。 「つーか、綾野さん風紀隊の意味間違えてね?」 「生徒会長みたいな感じだと思ってるんだと思うよ」 「わかる。 教授、ちゃんと実白さんに説明してんすか?」 「仕事の内容はね」 「事件の内容を話さないと、俺らの中でやってることが、ずれてくるでしょう」 人々は、 …というか俺の周りは。 彼女のことを 綾野さんと呼んだり、 実白さんと呼んだりする。 綾野と呼ぶには物足りなくて、 実白と呼ぶには可憐すぎる。
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