王女と絶望

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「―エリアーデ様。」 控えめなノックの後、彼女を尋ねて一人のメイドが部屋に入ってきた。 エリアーデよりも年上のメイドは、一冊の本を胸に抱いていた。 「…アイリス。一体、どうしたの?貴女がこんな時間に私を尋ねてくるなんて、珍しいわね。」 そう言って、彼女は窓から離れた。 「いえ。大層なことではないんです。倉庫を掃除しましたら、本が出てきたものですから。ルックさんが、エリアーデ様のものと仰るので、どうすれば良いのか尋ねに参りました。」 「そう、お疲れ様。本は、私が預かるわ。ありがとう。」 「いえ、滅相もございません。では、私は失礼いたします。」 .
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