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「…」
目が覚めると、そこはいつも変わらない僕の部屋。何一つ変わらない、つまらない、僕の日常。
――夢は、残酷だ。
はあ、と溜め息を吐き、のろのろとベッドを転がりながら移動する。当然、ベッドの幅には限界があり、僕のはそんなに広くはない。予想していた一瞬の浮遊感と、背中に受けた衝撃に体を縮め、そのまま床を這って移動した。眠い。
「…嫌だなぁ、入学式なんて」
めんどくさい。
その言葉を言う前に、先にセットしていた目覚まし時計のアラームが鳴った。徐にそれを手に取り、勢いよく壁に叩きつけた。
よりによって、今日、あの人の夢を見るなんて。しかも"あの場面"。
「…ツイてない…」
早くも本日二度目の溜め息が口から漏れた。
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