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煩い車道を幾つか越えると、車の通りはほぼ無くなり、静かな道が俺を迎える。 まぁ、そのせいでうちの豪華なマンションは浮いて見えるんだけど…。 でも、この静さが俺は好きだ。 今は何処へ行っても街は人で群がっていて賑やかすぎるから。 ゆっくり、考え事をしながら散歩するのにはもってこい。 暫く歩くと、死角になっている角を曲がった所に電灯が一つ。 真っ暗で不気味な道を照らす電灯の光の真下に…… 「……あ?」 こんな雨の中、傘も差さずに男が立っていた。 .
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