芳醇なる美酒に酔え【跡忍】

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「…景ちゃん…。 俺、ヘンなんやけど……」 ソファーに凭れかかり、侑士が天井を仰いだ。 だらしなく投げ出された手足は弛緩しきり、全く力が入らないようだ。 トロンと焦点の合わない瞳。 「…侑士、てめ何飲んだ…… ?!」 床に転がったワインボトルを拾い上げラベルを見ると、1995年モノのロマネ・コンティだった。 生まれ年の。 …まだまだワインセラーの中で寝かせるつもりだった赤ワイン。 いつ持ち出した?
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