「早く死ねばいいのに」

3/8
前へ
/23ページ
次へ
「こっち、見てよ」 すねたような、声。 ああ、気持ち悪い。 「……私、響さんにかまってあげてる暇なんて、欠片もないんですけど」 苛立ちのままに、言葉を紡ぐ。 自分でも驚くほど、冷たい声音だった。 ――さすがに傷ついたかな。 そんな考えがちらとかすめたが、彼女は全く気にしていないようで、 「ウソツキだね、蝶子ちゃん」 背後でくすくすと笑う気配がした。 ああ、もう、だめだ。 頭の中でぷつんと音がして、私は彼女を張り倒すために振り返った。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加