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「あぁ、居たんだ?影が薄くて気付かなかったよ。」
「てか、言ってる意味が分かんないんですけど~。」
「神谷達がいねぇとなんもできねぇくせに。」
先程まで散々に蘭丸を批難していた生徒がその矛先を茅へと向けた。
小さな溜め息の後茅の目が真っ直ぐに生徒を射抜く。
「ひとつめ、人の存在に気付けないのは君の注意力か視力が足りてないんじゃないかな?
ふたつめ、日本語が理解できないなら解る訳無いよね、ごめんね?
みっつめ、蘭が居なくても君達の相手ぐらいなら出来ると思うよ?」
一つづつに言葉を返すと生徒たちは黙り込む。
「次、宮原杏都を泣かしたら、うっかり蘭の前で口を滑らすかもね。」
綺麗な笑顔で微笑むと茅は席に着いた。
そんな茅に生徒たちが苦し紛れの反論をしようとしたが、始業の合図が鳴り、担当教諭が入ってきたためそれぞれの席へと着いていった。
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