に。

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「おはよー。」 「おはよ。」 「おはよう。」 朝の挨拶の飛び交う教室に笑顔で応えながら杏都と美桜子も入る。 杏都の席は特等席。   身長の小さい杏都が席替えをしても黒板が見えないという理由から何時も席を替えてもらっていたら、いつしか、窓際一番前は杏都の席となった。 そんな杏都のここ最近の朝の日課は、窓から通用門を眺めること。 しばらく一人で眺めていると、美桜子も教員ようの椅子を引っ張って来て座る。 「今日、来るの?」 窓枠に肘をのせた美桜子が登校する生徒たちを見下ろしながら問い掛けた。 「来るもん。」 それでも、なかなか来ない彼に不安を覚え、俯き、瞳に涙を溜めながら呟いた。 「あ、来た。」 美桜子の声にぱっと顔を上げ外を見る。 そこには、ポケットに手を入れ気だるそうに歩く神谷 蘭丸が確かにいた。 「ほらねっ!!」 さっきまでとは違い、満面の笑みで得意げに返す杏都の頭を撫でると美桜子は優しく微笑んだ。
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