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「……知ってるけど」
「ほんとか!?悪いけど私をそこに案内してくれないか?な、頼む!」
神からのお助けだと言わんばかりに手を擦り合わせて頼み込む。
「いいけど……その紙、もしかして青条への地図?」
「え、そうだけど」
すると無表情だった男の頬が急に緩んだ。
「あんた絵、下手過ぎ」
そう一言言い残して私の前を歩き出した。
「は……?」
なんの話かと呆気に取られていたが手元の紙ですぐに理解した。
「おい、待て!これは私が書いたんじゃなくて……!」
「そんなのいいから早くついてきなよ」
「……はいはい」
なんでこんな偉そうなんだ、こいつ。さっきの笑みはどこいったんだよ。
何かと腹が立つ男だがこの絶好の機会を逃すわけにもいかない。少しの我慢だと自分に言い聞かせながら渋々男の後を追った。
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