第1話

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「……知ってるけど」 「ほんとか!?悪いけど私をそこに案内してくれないか?な、頼む!」 神からのお助けだと言わんばかりに手を擦り合わせて頼み込む。 「いいけど……その紙、もしかして青条への地図?」 「え、そうだけど」 すると無表情だった男の頬が急に緩んだ。 「あんた絵、下手過ぎ」 そう一言言い残して私の前を歩き出した。 「は……?」 なんの話かと呆気に取られていたが手元の紙ですぐに理解した。 「おい、待て!これは私が書いたんじゃなくて……!」 「そんなのいいから早くついてきなよ」 「……はいはい」 なんでこんな偉そうなんだ、こいつ。さっきの笑みはどこいったんだよ。 何かと腹が立つ男だがこの絶好の機会を逃すわけにもいかない。少しの我慢だと自分に言い聞かせながら渋々男の後を追った。
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