序章

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「いい加減にしないか!!」 校長先生に怒鳴られたのはこれが初めてだった。校長先生の顔はもう血管が切れるんじゃないかと思うくらい真っ赤だ。 「まったく、君は反省というものがないのか!?」 「すみません。でも喧嘩を売ってくるのはあっちです。私が反省したところで何も変わらないですよ。それに、売られた喧嘩を買って何が悪いんですか?」 私の言ってることは正論じゃないかと思う。買わなければ見下され買っても説教をされ、一体私はどうすればいいんだ。ああもう、面倒でため息が出そうだ。 「その相手は全治三週間だそうだ」 「ああ、ご愁傷様ですね。そんなに殴ってないのに……あ、最後の一撃がクリーンヒットしたのかなあ」 わざとらしく顎に手を当てて考える素振りを見せる。そもそも相手が弱過ぎる。自分から喧嘩を売っておいて一発本気で殴り返してダウンなんて、身の程知らずというかバカとしか言いようがないだろう。
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