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峰澤は少し考えこむように押し黙った。そして何かに気づいたように笑顔をつくった。
「………、わかった、自分の言葉にはちゃんと責任を持つよ。
沙希、ありがとう。
これからもよろしくお願いします」
そう言って峰澤は立ち上がり、彼女と向かい合った。
そして自分のズボンのポケットから指環ケースを取り出した。
頭を下げて、ケースの蓋を開けながら彼女に差し出す。
「指環、受け取ってください」
中身は飾り気の無いプラチナ製の銀色の指環だった。
沙希は峰澤の手に自分の手を添えて、大きく頷いた。
「こちらこそ、よろしくお願いします。
ありがとうございます、洋一さん」
そうして沙希はにっこりと微笑んだ。
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