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自分のと仲田のは普通のお茶、優香のはペットボトルのジュースを買って先程のイスへ戻る。
飲み物をそれぞれ渡して峰澤も再びイスに腰掛ける。
病院の待合室には朝早いからか、無邪気な笑顔を見せる優香と無言な大人二人だけ。
お茶を飲み一息ついたころに、仲田は心配する声をかけてきた。
気を落とすな、やら諦めるな、といったことをいろいろ。
彼女の話だと、優香にはまだ沙希が事故にあったことを話していないらしい。
「話してもまだわからないかもしれないし、わかったとしてもあんまり悲しい思いをさせたくなかった」とのこと。
この病院に来れば優香にも否応無しに知らされることになる。それから知らせても遅くはないはずだ。
峰澤だってそうだ。優香はまだ三才だ。出来ることならあまりつらい思いをさせたくない。
優香を沙希のところへ連れて行くのにも抵抗がある。
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