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それからというもの、光陰矢の如しとはよく言ったもので、一週間が本当にあっという間に過ぎ去ってしまった。
僅かな緊張感と期待感とを持ちながら、峰澤は彼女の家へと向かった。
夕陽が背後から後押ししてくるように思える。
彼女の家に着く頃には、緊張感で動悸が激しくなっていた。
会うことが、告白の返答を聞くことが少し恐かったが、躊躇わずにインターホンを鳴らす。
数十秒の後、いつもの通り彼女が玄関から顔を覗かせた。
この時の峰澤は耳まで真っ赤になっていたと思う。思わず目をそらして瞑り、どもりながら「こんばんは」と挨拶をする。彼女も「こんばんは」と言葉を返す。
彼女の表情はわからないが、玄関前の二段ほどある石段を下りて峰澤の真ん前に立った。
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