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峰澤はあまりの緊張で焦点の定まらない目を沙希に向け、あたふたとしていた。
「あ、あの…先週の答えを聞かせてくだ、さい…」
やはり伏し目がちに言う。焦っていたわけではない。だけど、どうしても答えを最初に聞きたかった。
もう呂律も回らず何が何やらの状態。彼女の方が些か落ち着いているほどだった。
彼女は微かに震えている峰澤の手を取って言った。
「私なんかで良いのでしたら…
よろしくお願いします」
彼女はにっこりと優しく微笑む。
握られた手が温かい。
自分の告白に彼女は答えてくれた。
峰澤はそれがとにかく嬉しかった。
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