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峰澤は厳粛な雰囲気の中碌に挨拶もしないまま、彼女の義父と対面の座布団に座った。
沙希は義父と峰澤にお茶を運んでくれたが、その後は気を使ったためか部屋から出ていったきり戻ってこない。
数分の間、義父と峰澤は二人ともどこか難しそうな顔をして沈黙を守った。
お互いどう話し出せばいいかよくわからなかったのだ。
しかししばらくした後、痺れを切らしたのか義父が唐突に喋り出した。
「沙希から聞いたんだが洋一君、教員試験に受かったそうじゃないか。俺にも一言報告してくれよな。
良かったじゃないか、おめでとう」
にっこりと笑って祝辞を述べた。峰澤は緊張していたからか、軽く御礼を言ってそれっきり静かになった。
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