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義父は渋々といった様子で峰澤を見返し、若干睨み付けた。先程までの笑顔が嘘であるかのような鋭い目つきだ。峰澤はそれでも構わず、目を逸らさずに言った。
「単刀直入に言います。
僕は、沙希さんのことが…大好きで…その、本当に、ずっと一緒にいたいんです。
結婚したい…と、そう思っています。
どうか、沙希さんとの結婚を、許してもらえませんか」
そう言って額が畳につきそうな程深く土下座した。
義父は肩をすぼめて確認するように聞いた。
「…洋一くん。お前さん、千葉で仕事するそうじゃないか。沙希もほら、一緒に連れて行くんだろ?」
「は、はい…すみません、そのつもりです…」
「そういうことはちゃんと報告しといてほしいな。
まぁでも、洋一くんは良い人だしな。君なら沙希を任せられる」
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