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「あまり頼りにはなりそうにないけど、君は真面目で素直だな。洋一くんのそういうところが俺は好きだね」
義父の褒め言葉に峰澤は苦笑いを浮かべた。どう反応していいものか悩ませる。
義父はというとすぐに気持ちの切り替えをしたようだった。真剣な表情を作って、しっかりと峰澤を見据えた。それから目礼した。
「洋一くん。沙希のことを、よろしくお願いします」
その言葉を聞いて峰澤は再び満面の笑顔になったが、このままでは義父が土下座をしてしまうような勢いだった。それを阻止すべく立ち上がりかけた瞬間、襖が勢いよく開け放たれた。
入ってきたのはもちろん沙希だった。飛びつく勢いで峰澤を抱き締め、危うく二人そろって転倒するところだった。
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