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目の前に、男が立っている。
その傍らには、血塗れの女だったモノ。
首を折られ、腹を潰され、素手で髪を一本残らず引きちぎられた。
男は動かなくなった女の体液を啜りだした。
気持ち悪い。吐き気がするほどに。
背はそれほど高くもなく、筋肉質というわけでもない、ただの男。
強いて言うなら、自分よりも若く見える彼を、私は恐れていた。
恐怖のあまり、動けない。彼女が助けを請うても、私は震えて見ているだけ。頭皮が剥けて、無残な姿にされても。彼女の零した、あらゆる体液を吸われても。
私は、動けない。
彼女を蹂躙し尽くした男が、私を標的としてるのに。
目を抉られ、目と耳をちぎられ、唇を裂かれ、舌を抜かれ、最期に首を圧し折られるまで、私が動くことはなかった。
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