第四話

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大嶺「勝負は一打席勝負」 「ファールやヒット、四死球なしでいいか?」 中田「はい。」 そんなルールで注目の対決が始まった。 中田の手から第一球が投げられた。 カキーーーーーーーーーーーーン 物凄い辺りがファールスタンドへと向かった。 そして二球目同じく物凄い辺りがファールスタンドへ。 それから三球目と四球目もボール。 ツーストライクツーボール。 大嶺「今日はいい球投げるね。」 中田「褒めてもらえて光栄です。」 大嶺「でもバッティングカウントだよ。」 中田「三振に取ればカウントなんて関係ないですよ。」 大嶺「相変わらず、いい度胸してるよな」 中田「投手はこれくらい強い気持ちがないと、いい投球ができません」 大嶺「さすが天才投手!」 そして第五球目が投げられた。 ジャキーーーーーーーン。 中田「!!!!」 明らかに今までの音と違っていた。 ボールはライン上を放物線を描いて終着点はレフトポールだった。 大嶺は無言で打席を外して帰宅しようとした時中田が声を掛けた。 中田「大嶺さん。僕の完敗です。」 「やはり明和のエースは僕じゃなく大嶺さんでした」 「僕は中学時、自分より凄い投手なんていないと思っていました。」 「ですが世の中はやっぱりそんな甘くないですよね。」 「生意気ですが明和のエースは諦めます。」 「今日は対戦ありがとうございました。」 大嶺「何を弱気になってるんだ」 「これからお前はまだまだ伸びる」 「明和のエースは一人じゃない。」 「明和のエースは大嶺と中田の二人だよ。」 「な?監督」 監督「あぁ。」 大嶺「俺一人で甲子園投げ切れる訳ないだろ」 中田「でも…」 大嶺「これからも真のエース諦めるなよ」 「いつか俺を超えてみせろ」 中田「はい。」 中田は涙を流し大嶺と約束を誓った。
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