1人が本棚に入れています
本棚に追加
今は曇り空だが、30分前までは陽が射していた。
立冬を過ぎたこの季節。おひさまのぬくもりをチャージした金属板は、ちょっとどころではない癒しのスポットだったりする。
誘惑に負けた僕は人目も気にせず、こげ茶のサッシに張り付いた。
そこへ、女の子の声が。
「あったかいねぇ……」
「ええ、本当に……」
ガラスの外の呟きに、僕も思わず呟き返す。
おひさまのポカポカは偉大だ。普段の僕はけっして社交的な性格ではないのだけれど、今はそうでもなかった。
最初のコメントを投稿しよう!