イーヨメタン

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 彼女が話しかけてきた。 「初めて見る顔じゃね。どこからお越し?」 「山むこうの平野から。今朝、車で着いたばかりなんです」 「やっぱり! いやぁ、都会モンっぽい顔をしちょるがと思ったんよー」 「君は?」 「あたし? あたしは先祖代々この里山うまれの里山そだちじゃけぇ!」  飾らない笑顔と声が心地よい。  空は相変わらず曇りだけど、僕の心は晴れ晴れしてきた。不安だった初めての田舎暮らしも、なんだか良いスタートがきれそうだ!  ──と、そう思った矢先に。  
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