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『ィにお届……ッッッ…る曲はス…ィッ…グの──…』
突然、大音量のアナウンスが流れだし、僕は慌てて姿勢を正す羽目になってしまった。
「な……!?」
「あはは、そんなビックリせんでもええよ。そこの畑にいつものおじいちゃんが出てきただけじゃけぇ」
本当にいつものことらしく、彼女は自然体のままラジオに耳を傾けている。そう、ノイズ混じりのアナウンスの正体は、AMラジオの音。ちょっとばかし音が大きいのは、御老体の耳にあわせてのことだろう。
──ああ、心臓が止まるかと思った。
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