零匹目♪始まりの出逢い

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    ♪♪  そして――  パーティは終盤に差し掛かり、帰る人がちらほらと見え始めても二人の話は尽きなかった。 「でね――」 「うんうん♪それから?」 「――たんだよ♪」  でも――楽しい時間には必ずといって良いほどに終わりは来る。 ――だからこそ楽しい時間は楽しいのだろうけど。 「――カちゃん帰るわよ~。」  二人の楽しい時間はそんな女の子を呼ぶ女の人のおっとりとした声で終わりを告げた。 「かえるの?」 「うん――。お母様が呼んでるから……。」 「帰っちゃヤダ……///(ギュッ…」  男の子は寂しくて、初めての友達になるかもしれない女の子がいなくなるのが寂しくて女の子を抱き締めた。そのサファイヤの様に蒼い眼に涙を湛えながら……。 だけど女の子は 「大丈夫。」 と言って男の子の雪の様に白い銀色の頭を優しく撫でた。 「大丈夫だよ。うん」 「え……?」 何が大丈夫なのだろうか、根拠のない自信に笑みを浮かべる女の子に男の子は不思議におもって女の子の顔を見た。 ――その時男の子が上目使いになった為女の子が男の子を可愛いと思ったのは秘密だ。 「また、会えるよ」 「また……会え…る…?」 「うん♪また会える。だから大丈夫。キミは一人じゃない」 女の子が言ったこの言葉は男の子にとって確かな物だった。 だからこそ男の子は 「うん……。またね」 と言った。“バイバイ”や“さよなら”ではなく『またね』……。それは別れの言葉。でもこの別れはまた会う為の別れ。男の子の顔には涙一つなく笑顔だけがあった。  女の子はコクリとうなずいてから「またね。」と返した。そして―― 二人はどちらからと共なく目をつむり ――チュッ… 軽く唇を触れ合わせるだけの幼い口付けを交わした。  それは二人にとって何も言わずとも再会を約束するおまじないとなったのだった。 その後、母親に引きつられて帰る女の子とそれを見送る男の子の二人が見つめ合いながら想う事は ((また、絶対に会える。)) だった。 ──フタリハソノオモイガ      ゼッタイニ     カナワナイコトヲシラナイ……。 ソウ、カナワナイモノナノダ    ジュンスイナオモイホド……。    
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