最悪の同居人

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「ぼっ……墓地?」 「あれ?聞いてなかったのか?」  思わず呆けたように聞き返す私に、薫は、事もなげに私を見下ろすと、再び窓の方に体を向けた。  外は、いつの間にか薄暗くなり、鮮やかなサーモン色だった雲の色も、夕闇にその色彩を陰らせ始めている。   「……駅から徒歩20分、築20年…とは、いえ――…」  そうして薫は、窓の欄干に両手を乗せると、体を少し乗り出す様にしてヨッと一つ大きく伸びをした。 「都心で、ここまで便利も良くて 内装だって……まあ多少古臭いけどさ、見方を変えりゃあ、レトロで味もあるし…五階で日当たりも十分 それでワンルーム並みの家賃っていうんなら、これくらいは、妥当なんじゃね?」 .
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