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キレるのか……単にバカなのか……
そんな私の皮肉にも、まるで動じる感も無く、ただ鈍感に立ち回る薫を前に
それ以上の言葉を発する気力も失せた私は、一人脱力する様にして、ぼんやりと眼前に広がるキラキラとしたネオンに視線を移していた。
空の色が深まるにつれて、その煌めきは、より一層輝きを増してきたような気がして
私は、思わず目を細める様にして再びその夜景に魅せられながら
生ぬるく、すっかり気泡も無くなった残りのビールをグビビと無理やり喉の奥へと流し込んでいた。
まるで……こんな不躾で厚かましい男の横顔に、一瞬でも見入ってしまった自分に
思いっきり凸ピンを食らわしたい気分を抑えるかのように――…
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