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「…――――ッッ」
ひっ――…
酷いのは、あんたの思考の方でしょうがっっ!!!
勢い余って、思わず拳を振り上げそうになった、その途端――…
「……あっ、バスの時間なんじゃね?」
「…えっ!?あっ!!やっば、ホントだッッ」
そう言って涼しい顔で私を振り返った薫の言葉に弾かれる様に、思わずハッとして腕時計に視線を落とし、現実に引き戻された私は
またもやスルリと私の追求をすり抜ける薫の横顔に、軽く舌打ちしたい思いを抱えながら
ともかくも今は、差し迫るバスの時間にせき立てられる様にして、全速力で玄関を飛び出していた。
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