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「俺の方だって、前の所引き払ってこっちに来てんだよ
今更『何すんの』って、それは、こっちのセリフだってーのッッ」
そんな薫の横柄な態度に、ワナワナと湧き上がる怒りを抑えきれ無いまま
私は、薫のそのふてぶてしい眼差しをキツく睨み上げていた。
「けっ…契約って――…そもそも、アンタがおっ…男だったなんて
そんな事、一言も――…」
「俺、聞かれて無いし……アンタが、おれの名前みて勝手に誤解してただけだろ?
そもそも――…」
そうして薫は、軽く腰を屈めるようにして私の顔を覗き込むようにしながら
「俺の方が先に契約してんだから、出てくならアンタの方だと俺は思うけどね?」
そう言って、ニヤリと皮肉な笑みを漏らした。
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