プロローグ

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 北陸のとある地方都市。  地方の名前のついた駅前で、俺こと荒木勝利(あらきかつよし)は呆然と空を見上げていた。  青い。抜けるような青空である。  青い、空。  蒼井そら――――。と、そこまで思考が流れた時点で、俺は本来の目的について考える。  さて、どうやって時間を潰そうか。 「参るよなぁ……」  頭を掻き、溜息をつく。俺は非常に困っていた。  しかし誰も助けてはくれない。当然だ。ここで誰かに手を差し伸べられたら俺は全力で警戒するだろうし、俺の敬愛する利根川幸雄さんの信念にも反することになる。  そうだ。状況をひとまず整理しよう。  物事の傾向さえ掴んでしまえば、対策を講じる事は容易だ。逆に、いつまでも漠然とした行動を行っていては、不確定な結果にしか辿り着けない。  確実かつ堅実な未来を設計するためには、物事の傾向を把握することが極めて重要なのである。そう心の内で呟いた俺は、今現在の状況を整理する。    決して物語の世界観とか背景を手抜きで説明しようとしているわけではない、ということは賢明な読者諸兄においては理解されたい。     さて。俺の目的は、叔父の家へと辿り着くこと。  この4月から田舎(こっち)の高校へ編入する為に、不本意ながら俺は叔父の家へ厄介になる事になっていた。  母親曰く話は既に付いているらしい。
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