黒い飲み物

5/24
前へ
/209ページ
次へ
 生活の一部となったものに対して、そこまで興味を示す者はいない。  つまり、女にとってこの街が馴染みの無い物であることを示している。 (隠してはいるが、興味津々といった所か。砂漠地帯から来たなら、この水量に圧倒されるだろうからな)  かく言うジョージも、衛兵を目指して故郷の山間の村から始めてこの街に来た頃には、あまりの水量に度肝を抜かれたものだった。  しばしゴンドラの掻き分ける水音に思い出を想起し、浸るジョージだった。
/209ページ

最初のコメントを投稿しよう!

94人が本棚に入れています
本棚に追加