黒い飲み物

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 なんと、水面に付けた指を素早く口にくわえたのだ。 (何ィィィィイ!?)  ジョージは驚きのあまり、思わず声を上げるところだった。  おのぼりさんという次元ではない。確かに、この街に流れる水は水宮の力で清浄に保たれている。  が、潮が満ちると海からの逆流もあり、簡単に言えば水が塩辛い。  やはり女も辛かったのか、口元が歪んでいた。 (おいおい、どこの箱入り娘だ?)  ジョージは女に声を掛けるのをやめて、ただ観察する事にするのだった。
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