行き倒れた少年

5/10

94人が本棚に入れています
本棚に追加
/209ページ
「おいロゥシュ。てめえ、ちゃんと仕事しろよ」  とりあえず気が済まないので、休憩所で寝転んでるロゥシュに文句を言って、ついでに脇腹をさんざんくすぐってやってから、ガキを連れて行く間の門番を頼んだ。  ガキの所に戻ると、浮浪者が荷物を漁ろうとしてる所だった。マントは既に剥がされていた。  瞬間に頭に血が上った。別にこんなガキに思い入れなんぞ無いが、大の大人が意識不明の子供の物を盗むなんざ許せねえ。 「おいてめぇ!!何やってやがる!!」  俺が掴みかかると、浮浪者は慌てて逃げ出した。奪った荷物をどんどん落として逃げていく。  くそったれ。ロクな物を食ってねえくせに、逃げ足だけは速えな。こちとら鎧が重いんだよ!!
/209ページ

最初のコメントを投稿しよう!

94人が本棚に入れています
本棚に追加