行き倒れた少年

7/10
前へ
/209ページ
次へ
 ガキを持ち上げる。  軽い。軽すぎる。こいつ、何食って生きてんだ?  いや、何も食えてないから軽いのか。  一人納得して、衛士用の宿舎に向かった。  途中、ふと視線を感じて足を止めた。  ガキが、目をうっすら開けて口をぱくぱくしている。 「有り難く思えよ。一食くらいなら食わせて貰えるぞ」  俺は、無意識に笑っていた。安心させたかったのか?  なんか、妙に憐れみを誘うガキだなこいつ。ガラにもない事しちまった……
/209ページ

最初のコメントを投稿しよう!

94人が本棚に入れています
本棚に追加