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横たわる大きな身体。
小さな俺達の身体では、持ち上げることなど不可能だった。
暖かいヌメヌメとした感触だけが生々しく現実を伴っている。
「お父さん………ッ」
「母さんも父さんもKillerlessだった…のに!
どうして!!」
「…Killerlesskiller.」
「え―」
「姉ちゃぁぁぁあん!!!!!!!!!!」
側にあった姉の姿が、火花で見えない。
酷く鈍い音がした。
唯一聞こえたのはそれだけで、視界の向こうは既に焼けている街しか見えない。
「……ねェ、…ちゃ」
怖くて。
ただ、怖くて。
身体から力が抜けた。
そして思わず尻餅をついた。
震えがおさまらない。
嫌だ、怖い。
早く逃げたい。
怖い、
怖い!!!
「っうわぁぁぁぁああ!!!!!!」
走って、こけて、はいつくばりながら、火の海から逃げる。
その影から出てくる人の姿がゆっくりと追いかけてくる。
嫌だ、嫌だ、嫌だ!!!
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