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後半とはいえ、同じ時代に生まれた私。 ある家庭の長女として生まれ、たくさん愛される美しい子になるようにと名付けられた───愛美と。 父は競艇選手として活躍していたから、生まれた時からすべてが与えられていた。 こどもには広すぎる一人部屋、花柄のカーテン、キャラクターの学習机、つやつやのランドセル、バービー人形、スヌーピーのぬいぐるみ、キラキラのジュエリーボックス… 欲しいと思わなくても、そこにある、それが当たり前だった。
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