PARGE1 MEA-私-

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 と考えるとフェルトもまだ発展途上なのかもしれん。  恐ろしい。  ソダリタースは近年魔術公爵のルーテンフォルゲン卿によって発見、系統付されたものだ。無名と言えば無名。発展途上と言えば発展途上。  多分、昔彼はフェルトに研究成果を見せに来たんだな。彼女が私を、私が彼女を知らないとなると別の研究成果を連れてきて見せたのだろうが……当時は悲惨な駄作に見えたのだろう。  フェルトが私を見て改めて興味を示すのも頷けるが、いきなり趣味が悪い、と言いますか。 「良点と欠点を言え」  淡々とした口調。 「良点から三つ申上げます。まず私の系統は発動が早い事。二つに使い手の感情により威力が増します。三つに集団で紡げば隕石くらいは簡単に砕けます」  びきぃっ、とフェルトの額に血管が浮かぶ。な、何か癪に障る事言っただろうか。 「隕石を砕くにはどれくらいいる?」 「申し上げにくいのですが不明です」  眉間に皺がよる。不機嫌そうだ。 「次に欠点を申上げます。一つは発動は早いですが一般的魔術に比べ一撃一撃の威力にブレがあり、多少劣ります。もう少し長く紡げれば…」 「余計な事はいい、早く言え」  そうですか。結構重要なのだが。  大概の呪文は詠唱は長ければ威力が高い。それは私の術も例外ではないのだ。それなのに。 「……使い手の感情次第で、威力ががた落ちします。以上です」 「それだけか?」 「大まかには」  後は感覚だ。学べばなんとなく分かる。まぁ、学ぶ、という所になるまで何年かかるかは別として。
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