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「mAngYI faira!
(まんぎぇい ふぁいら!)」
私が高速で呪文を紡いだ刹那、巨大な火炎弾が相手に向かって放たれた。相手は急いで転倒するように回避したが私はその隙を見逃さない。続けて第二派を詠唱しだす。調子良好。
「jYIzAt YIfs!
(じいぇいざっと いぇいふす!)」
今度は鎌鼬、相手を殺さないように手加減して放つ。
こら相手の無名さん、目をつぶって防御体勢を取ったら駄目だろうが。
「うわぁっ!?」
私の魔法は見た目に反して相手の肌を薄く切り裂いただけだった。
風が去り、静寂が満ちた。周りで魔術合戦の様子を見ていた人々も何が起きたか分からないまま呆然としている。
間抜け共め。
「…この程度で物理的防御体勢を取るのは得策じゃない。魔防御結界を張るべきだ」
「お前…早過ぎんだよ…発動…!」
忌々しそうに吐かれた。
「…戦場ではこれ以上の速さで術が飛んでくる」
それは私が幼き頃の夜に見ていた火の海と光の弾丸が行き交う光景。よく知っている。
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