70人が本棚に入れています
本棚に追加
──俺は機械になりたい。
感情なんて、いっそ捨ててしまった方がいい。
そうすればきっと、この下らない世界に倦怠感を抱く事もないだろう。
憎しみの情念や、嫉妬心に苛(さいな)まれる事も、下らない柵(しがらみ)に囚われる事も無いのに。
無表情で淡々と仕事をこなすあのカラクリ達を見て、俺は常々そう考えるんだ。俺は俺が嫌いだ。人間は醜い。
いつしか誰かが俺に言っていた。『お前の眼は立派な人殺し』だと。図星だ──
──勿論好きでこうなった訳では無い。俺は何も間違った事はしていない。
俺は世界を救いたかっただけなのに、この下らない世界を──
いや、もしかすると俺は……ただ“壊したかった”だけなのかも知れない。
──まぁ、今となってはどうでもいい事だ。
最初のコメントを投稿しよう!