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歩き出す少女の背中に、ルイは焦り気味で呼び止める。
「ミント、待ってくれよ! 本当なんだって! もしここから離れていたら、危ないぞ」
少女の名はミントと言うらしい、それを聞いたミントはピタリと足を止め、ルイに振り返りルイの顔を熟視する。
ルイの真剣な眼差しから“嘘ではない”と感じたのか、ルイの元へ戻って来る。
「成る程、じゃぁ少年を助けていた事は本当なのね?」
──そう呟くと、ミントは腕を組み暫く考え込む。それを見たルイは気まずそうに変な事を言い出す。
「ミントの耳、使ってくれないか?」
考え込んでいたミントはそれを聞くと、ルイを鋭い眼で睨み付ける。
「まぁ、しょうがないけど嘘だったら殺すからね?」
ミントはそう言うと、嫌々フードを掴み、ゆっくりと脱いだ──
徐々に頭部が露(あらわ)になっていく。金色の長い髪が見えると、頭部のてっ辺に何かが生えていた──
──それは猫耳だった。
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