第一部 一章

6/17
前へ
/794ページ
次へ
 彼女の住むマンションはそこから徒歩で十分程度の距離だ。そして、待ち合わせ場所である駅までは一本道と言ってもいいほど単純な道だった。もし彼女が既にこちらに向かっているとしたら、途中で会えるだろう。  そんな期待も少しはしていた。しかし、妹の住むマンションの入り口にたどり着くまでに妹の姿を見かける事は無かった。
/794ページ

最初のコメントを投稿しよう!

476人が本棚に入れています
本棚に追加