【12月14日(月)】

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「オレたちもーダメなのかなー……」 「大丈夫だろ。なんか前にもそんな事あって揉めてたのに結局大丈夫だったし」 今、その枷が無くなるのはかなりきつい 付き合ってからの1ヶ月は俺から見ても嫉妬より呆れに近いくらいに2人はうまくいっていたのに、最近は倦怠期というか、すれ違いがちでいつ別れてもおかしくない状態にある 何となくだけど、俺は最初から2人はうまくいかない気がしていた というか、高校生同士の恋愛なんてそんなモノだろう こんな冷めた考え方をしている自分につまらなさを感じる と同時に、小牧の一途さが羨ましい 「オレも士樹(シキ)みたくなれたらいーのになー」 「はぁ、何で」 ひとしきり悩みを打ち明けた後、気が済んだのか今度は意味の分からない事を言い出した 「だぁってさー、なんだかんだで器用だし?彼女とか上手くリードしてそーだしー」 「何だそのイメージ。べっつに器用じゃねーけど。リードもしねーし」 「えー。オレんナカでは士樹って実は愛妻家なんだけど。オレみたいに…マチと…ケンカなんか……しなさそー…だし」 また落ち込んだ うなだれる小牧は椅子の背もたれにおでこを付けて大きく溜め息を吐いた ワックスで適当に立てられた髪の毛が、いつも以上に萎(シナ)びて見える 「落ち着け。それに俺は結婚してない。それに…、」 そこまで言って、昔の彼女の事を思い出した たった一度、中学の時の、それもほんの1ヶ月の間だけ付き合った、よく微笑(ワラ)う女の子 俺は俺なりに優しく接しているつもりだったけど、相手には伝わっていないだろう事は自覚していた この場合の優しさはどちらかというと『義務』的なもので、『愛情』ではなかったのだが そんなしょーもないものでも伝える努力さえしていなくて、それでもいつも微笑(ワラ)っていた、あの子は 俺と居て、幸せだったのだろうか あの微笑は何だったんだ それは俺がずっと引っかかっていた疑問で、今でも答えは分からない  
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