休日

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《寛史side》 子供がいたら良い雰囲気もないもんだ。 子供がいなかったら信号で止まったらキスしてたかもしれないぐらい良い雰囲気だったのに。 ちょっと残念。 延々に続く青色の海を見ていたら汚い物が浄化されていく感じがする。 神聖な場所などでは浄化されてる感じがすると聞いたことがあるが、海を見て思うのは俺だけ? 要するにそれだけ今日の海はきれいってことだ。 葵 「少しだけ停まって。 もっとゆっくり海が見たい。」 少しなら構わないと海岸線沿いの駐車場に車を入れ、エンジンを切る。 葵 「夏の海の色と冬の海の色は全然違う。 夏の海は燃えていて、冬の海はこれから季節に向かうにあたって静かに力を貯めてるみたい。」 寛史 「詩人みたいだ。」 葵 「詩人はもっと上手く表現できる。」 寛史 「俺には十分通じたからいいの。」 俺はダッシュボードから物を取るふりをしてキスしない予定だったのに思わず葵に唇に自分の唇を合わせた。        終
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