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『もういい…。客を追い返す趣味は無いが正直目障りだ。その酒はやる。だから早く帰れ…。』
あまりに僕がぼ~っとしてたので機嫌を損ねたらしい。
言いながら吸血鬼が軽くさっきの客に頭を振ると日差しを閉じ込めた短めの金糸が揺れる。
何か喋っているのか吸血鬼独特の長い犬歯がチラッと見えると
僕の心の中から黒い何かが湧き出て彼を飲み込みそうで、
僕は目の前のグラスを手早く呷ると
出来るだけ顔を見ないようにして会釈をし席を立った。
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