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「……もう助からないって、私が1番わかってる。それに……」
頭に直接響く、ピーという音に、脳裏に浮かぶ〈エラー〉の文字。
これは決して比喩の表現などではなく、今確かに私におこったことだった。
「……人間じゃないもの。病院なんかじゃ治せない。」
自嘲気味に吐き出せば、更に歪むカナタの顔。
ごめんね、カナタ。
結局私は、貴方に何もしてあげられなかった。
――『人間を愛すること』
それは私たち人間外の生物にとって、最大の禁忌〈タブー〉。
私は禁忌を犯した。
これはその代償。
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