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しっかし、往復20キロなんて辛くないか…。こりゃ学校で爆睡コースだな……。
春の海沿いは空気が澄んでいて、降り注ぐ朝日が海面に反射していた。
(…ああっ、意外と気持ちいもんだなあ……)
その時だった…。
「…はあっ、はあっ、……………」
雪菜ちゃん…!?
早くないか…?
しかもシカト……?
こんなんじゃ男として恥ずかしいやないかっ!?
「うおぉおおおおっっ!!!!!」
俺は全力で駆け抜けた…。
「…8時…3分か…あいつ間に合うのかしら…」
「……8時、はあ、はあ、3分かあ、はあ、あと…5キロくらいかっ…」
飛ばしすぎた俺の体力はすでに限界だった…。
もう走れませーん…。
こりゃ遅刻覚悟だな…。
棒になってしまった足を引きずりなんとか学校を目指した……。
「キーンコーンカーンコーン……………。」
無情にもチャイムの音が鳴り響いた…。
あと5分はやければ間に合っていたのに……。
(…雪菜ちゃんに迷惑かけちゃうな……)
もうホームルームがはじまっている時間だ…。
雪菜ちゃんは俺の事をどう説明したのだろう……。
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