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俺は珍しく、早起きして薄いジャケットを羽織ると、まだ肌寒い朝の町を愛車で(小学校から乗っているオンボロのママチャリ)で疾走する。
今日は休日だから学校にはそんなに人はいないはずだよな。
高校の門をくぐり腕時計を見る。
「…6時、30分…。」
早過ぎた…。
そりゃ人っこ一人いない訳だぜ。
出直そうとまた愛車にまたがる。
駐車場にも車なんて一台も見当たらない。
職員がいないんじゃ話にならない。
「…出直すか、ふぁ~ぁ。なーんかやたら眠くなってきたな…」
そういってまた愛車を漕ぎ出す俺。
校舎の裏にはグラウンドがあった。別にたいした意味はないがなんとなーくグラウンドを眺めてみた。
「……ザシュ…ザシュ…」
(……嘘だろ。第一村人発見…!?しかも、ありゃノルディックだよな…?…おまけに…女の子…?ほへ…?)
これが俺と“あいつ“の出会いだったんだ。
出会いっていっても俺が勝手に見てただけだけど…。
声はかけられなかった。
なんてゆーか、あまりにも綺麗すぎたんだ。
俺はしばらくそこに立ち尽くしていた…。
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