その名は白河志郎ッ!

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志郎「たのもー!」 俺が声高らかに叫び門を叩くと、慌ただしく門が開いた。 「はいはいはい、どなたです―――って、小傘さんと……誰ですか?」 志郎「まあまあ詳しい話は中でしましょうよ。さあさあ入った入った」 「え、え?……え?」 俺は出てきた僧を中に押し込んで強引に入り込もうとする。 僧は何が何だかわからないような顔で俺になすがままにされていた。 うん、聖はおっとりしたお姉さんみたいな感じだ。 想像通り。 ついでに言うと、これは俺と小傘の計画でもあったりする。 俺は聖から見たら大きな荷物を背負っているのだが、実はこの荷物というのがぬえであったりする。 正体を判らなくする程度の能力を応用してそう見せているだけであって、計画のために必要な行為なのだ。 その計画というのが小傘から命蓮寺のやつらを驚かせたいという意向に沿って俺が考えたものだ。 内容は簡単に言うと、ぬえが正体不明になってその存在をいないものと思わせ、命蓮寺のやつらが集まったところで能力を解いて驚かせるというものだ。 その第一段階の潜入は成功、次は内部にて他のやつを一箇所に集めなければならない。 そういう意味では聖が出てきてくれたのは幸運だったな。 この計画が成功すれば俺、フランちゃんと結婚するんだ……。
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