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「何度もいうけどアキラ、神野はやめとけよ」
きた。僕らは何度繰り返したであろうやり取りをする。
「分かってるよ。僕じゃ相手にされないくらい。でも好きになっちゃったんだから仕方ないじゃないか」
僕は東山から目線をそらし、俯きながら言う。
「……理由はそれだけじゃないけどな。まぁいい、きっぱり振られて泣くんだな。ちゃんと慰めてやるから」
言って、東山は僕にプリントを渡す。
「なにこれ?」
「担任にさっき神野の家に届けるよう言われたプリント。
どうせ後ろから眺めてるだけで幸せとか思ってるんだろ?
告白してこいとは言わないから、病気で気が弱ってるとこに優しくしてみせれば、少しは脈でるかもよ?」
と、女の子が惚れてしまいそうなくらい優しく微笑む。
「…………」
「なに?」
東山は女たらしの変態であることを、付け加えておこう。
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