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「雨は、あなたの身代わりになったのよ。
それを望んでた。
あなたのこと大好きで、愛してたんだって」
僕は 哀しいより、衝撃が強くて、彼女の言った言葉をうまく理解できないでいた。
それにこの女の子は
いったい誰なんだろう。
「花や動物は、愛する人のためになら、使命であるかのように、守るのよ、あなたは、雨に守られた。あのボールはあなたにぶつかってた、それを察知した雨は、自らぶつかったのよ」
雨の顔は安らかだった。
傷なんてない。
小さなカラダでボールを受けとめた。
サッカー少年達は3人で首を垂れていた。
「キミたちを責めたりしないよ。
これは事故だから、僕も、気遣いが足りなかったんだ。戻っていいよ」
少年達がその場を去って。
彼女は雨に呪文を唱えた。
すると雨は 小さな苗木になった。
「まだ雨はあなたのそばにいたいそうです。今度は花を咲かせてみたいって、言ってます。どうぞ」
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