出会いは紅

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「「ぎゃぁぁぁぅあ」」 人も眠りについた真夜中に男性であろう。 路地裏に叫び声が響いた。 「あぁ…足らない…もっと血が欲しい」 紫の瞳。 白く透き通った髪。 純白のワンピースに身を包んだその姿はまるで天使のような少女。 たが、その口には血が垂れていた。足元には目を虚ろにしてピクリとも動かない男が頃がっていた。 少女がその男をその紫の瞳で見詰めていると背後から新しく男の声が聞こえた。 「コンバンワ」 少女はその声に反応するようにバッと民家の屋根の上に飛び上がった。 月の光が彼女を照らす。 その姿を見た男は 「まるで天使のようですネェ」 「貴方…誰?」 「これは申し遅れました。私はとある公爵家に仕えし者、名をザークシーズ=ブレイクと申しマ――・・・」
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