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「天使……デスカ」
「ええ…そうよ」
少女は一瞬悲しそうな顔をするがまた凛とした美しい笑みを見せた。
「でも、天使にその翼は似合いませんネェ」
「私にはお似合いの……罪の翼よ」
「罪…?」
「貴方のような人間には関係ないわ。じゃあね紅の人」
そう告げるとバサッと飛び立った…だが
―――ヒュンッ
「ぁ……」
奇妙な音と共に少女の黒い翼に金色の矢が刺さった。
少女はそのまま地に落ちた。
「なっ…大丈夫ですカ?!」
男は急いで駆け寄ると少女に座らせるように抱き上げた。
「…………」
少女は無反応。
僅かに呼吸音は聞こえる。
その呼吸音を捕らえると男は少女を姫抱きした。
「はぁ…仕方ありませんネ」
そう言うと男は歩き出した。
暗い闇の中に。
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